ドイツ・スペインを撃破し、決勝トーナメントに進出するなど、日本国内でも日本代表戦が盛り上がりを見せた「2022年ワールドカップカタール大会」。
大会前の各チームの戦力を数値化した順位では、1位にブラジル代表、2位にアルゼンチン代表の南米2チームが位置付けられていましたが、その2チームでは明暗がくっきりと分かれています。そこで今回は、この2チームの試合結果をまとめながら比較していきます。
アルゼンチン代表の試合結果
サッカーW杯決勝トーナメントでオーストラリア、オランダを撃破し、決勝ではフランスとの死闘を繰り広げたアルゼンチン代表が見事優勝を果たしました!
公式戦36連勝と、優勝候補の一角として大会に挑んだアルゼンチン代表ですが、グループリーグ初戦でいきなりサウジアラビア代表に負け、グループリーグ敗退の危機にもさらされました。しかし、メッシ選手ら攻撃陣が結果を残し、その後2連勝でグループリーグを突破。決勝トーナメント1回戦でオーストラリア代表に危なげなく勝利し、2回戦ではオランダ代表とPK戦にもつれこみましたがベスト4進出を決めました。
グループリーグ
対サウジアラビア(11月22日) 1−2負け
アルゼンチン代表の初戦は、サウジアラビア代表にいきなり苦戦を強いられました。前半10分にメッシ選手のPKで幸先よく先制するも、追加点を奪うことができず、逆に後半3分、8分と立て続けに失点し、1-2でまさかの逆転負けを喫しました。
対メキシコ(11月27日) 2−0勝ち
後がなくなったアルゼンチン代表は、メキシコ代表との負けられない一戦に挑みました。試合を通して両チームにとってタフな戦いとなりましたが、後半19分にメッシ選手のミドルシュート、後半42分にCKからフェルナンデス選手がゴールを奪い、スコアで見ると2-0の快勝を収めました。
対ポーランド(12月1日) 2−0勝ち
メッシ選手とレヴァンドフスキ選手の「FCバルセロナの新旧エース対決」として注目を集めたポーランド代表との一戦。アルゼンチン代表が終始試合を支配し、2-0で快勝しました。
メッシ選手のPKをポーランド代表シュチェスニー選手が止めるということがありましたが、アリステル選手、アルバス選手がゴールネットを揺らしました。この結果、2勝1敗の勝ち点6でグループリーグ首位突破を決めました。
決勝トーナメント
ラウンド16 対オーストラリア(12月4日) 2−1勝ち
メッシ選手のキャリア通算1,000試合目となったオーストラリア代表との一戦は、メッシ選手の今大会3ゴール目となる先制弾で試合を優位に進めたアルゼンチン代表が2-0で勝利しました。ノックアウトステージらしい緊迫した試合でしたが、最終的にはこの力を見せつけた格好となりました。
準々決勝 対オランダ(12月10日) 2−2(PK戦4−3)勝ち
両チーム合計で18枚のイエローカードが出されたオランダ代表との試合は侮蔑的発言や、挑発行為、危険なタックルなど、大きな遺恨を残しました。試合はアルゼンチン代表が優位に進めましたが、オランダ代表が後半ロスタイム11分に同点に追いつき、PK戦にもつれこみました。PK戦は4−3でアルゼンチン代表が勝利しましたが、試合後オランダ選手を侮蔑するような振る舞いも見られ、なんとも後味の悪い試合となりました。
準決勝 対クロアチア(12月14日)3−0 勝ち
前回大会準優勝のクロアチア代表との試合は、バロンドールの受賞経験のあるメッシ選手とモドリッチ選手との戦いということでも注目を集めました。しかし、決勝トーナメントの2試合をどちらもPK戦の末に勝ち上がってきたクロアチアには疲労の色が見え、アルゼンチンの快勝となりました。試合後はクロアチアの絶対的エース・モドリッチ選手に向け、9万人近い観衆からスタンディングオベーションが送られました。
決勝 対フランス(12月19日)3−3(PK戦4−2)勝ち
優勢に進めていた試合はエムバペ選手のゴールで2度追いつかれ、振り出しに戻り、延長戦を終えて、3-3。嫌な空気の中でPK戦を迎えたアルゼンチンでしたが、PK戦の末に4―2で勝利し、1986年メキシコ大会以来3度目の優勝を果たしました!
ブラジル代表の試合結果
続いて、ブラジル代表の戦いをまとめていきます。グループリーグでは、開幕2連勝で早々に突破を決め、決勝トーナメント1回戦で韓国代表に快勝。「やはり優勝候補筆頭はブラジルだな」と感じさせる戦いを見せてくれていました。しかし、準々決勝でクロアチア代表の粘りに負け、PK戦の末ベスト8で敗退となりました。
グループリーグ
対セルビア(11月25日) 2−0勝ち
前回大会に続いての顔合わせとなったセルビア代表との一戦は、前半こそ互角な戦いでしたが、徐々にブラジル代表が地力を見せ、結果2-0で勝利をしました。
この試合でエースのネイマール選手がDFのダニーロ選手と交錯し、足首の靱帯を損傷し、グループリーグの残り2戦を欠場することが発表されました。
対スイス(12月1日) 1−0勝ち
同じグループのセルビア代表対カメルーン代表の試合結果により、必ずしも勝つ必要がなくなったスイス代表とブラジル代表との試合はかなり手堅いものとなりました。
引き分けかもしれないという雰囲気が出始めた後半38分、ロドリゴ選手の意外性あふれるパスと、カゼミーロ選手の思い切りの良さによりブラジル代表が先制点を奪い1-0で勝利を収め、そうそうにグループリーグ突破を決めました。
対カメルーン(12月3日) 0−1負け
すでにグループステージ突破を決めているブラジル代表は、ターンオーバーを狙って大幅にメンバーを入れ替え、カメルーン代表と対戦をしました。
試合自体はブラジル代表が優勢に進めますが、得点を決め切ることができず、逆に後半ロスタイムにアブバカル選手にゴールを許し、0−1でまさかの敗北を喫しました。それでも、スイス代表対セルビア代表の試合結果によってグループリーグを1位で突破しました。
決勝トーナメント
ラウンド16 対韓国(12月6日) 4−1勝ち
ベスト8をかけ、韓国代表との一戦に復帰したネイマール選手を中心に挑んだブラジル代表。前節のターンオーバーを活かし、前半から攻勢に出ます。
前半7分にジュニオール選手、13分にネイマール選手、29分にリチャーリソン選手、36分にパケタ選手が立て続けにゴールネットを揺らし、韓国代表も後半に意地の1得点を挙げますが、結果的に前半で試合を決めたブラジル代表が勝ち上がります。
準々決勝 対クロアチア(12月10日) 1−1(PK戦2−4)負け
ベスト4をかけたクロアチア代表との一戦は、スコアレスで延長戦にもつれこむ拮抗した試合となりました。
その均衡を破ったのは、ブラジル代表です。延長前半ロスタイムにネイマール選手が見事なパスワークから待望の先制点を記録。しかし、延長後半12分にぺトコヴィッチ選手に同点弾を許し、PK戦まで持ち込まれてしまいました。
PK戦は日本代表戦でもPKを3本止めたGKのリバコビッチ選手が活躍し、2-4でクロアチア代表に軍配が上がりました。4大会ぶりの優勝を目指したブラジル代表の戦いは、前回大会と同じくベスト8で幕をおろしました。
最後に
グループリーグの滑り出しに明暗が分かれ、決勝トーナメント2回戦ではPK戦で明暗が分かれたアルゼンチン代表とブラジル代表。激突となれば南米同士のプライドを賭けた激しい戦いになることが予想されていましたが実現しませんでした。
最終的には、メッシ選手がサッカー人生初のワールドカップ制覇を成し遂げ、世界中が感動の渦に包まれたカタール大会。4年後の2026年大会でも、選手たちの熱い戦いを期待しましょう!