【プロ野球】移籍制度「現役ドラフト」とは?目的や仕組みを徹底解説

【プロ野球】移籍制度「現役ドラフト」とは?目的や仕組みを徹底解説

2022年のシーズンが終わり、オフシーズンを迎えたNPB。FA権行使選手の動向やトレードなど選手の移籍が話題になっています。さらに、2022年度より新たな移籍制度「現役ドラフト」が開始されます。

今回は、その「現役ドラフト」の目的や仕組みを解説していきますよ。

現役ドラフトとは?

現役ドラフト、正式名称「ブレークスルードラフト」とは、2022年12月9日に初めて行われるNPBの移籍制度です。

元々2018年7月に選手会で議論が交わされ、その後選手会とNPBとの間で事務折衝を繰り返し、実現に向けて動いてきた「選手会念願」の制度です。本来は2020年からの導入が予定されていたようですが、新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、ここまで遅れてしまったとされています。

現役ドラフトの目的は?

現役ドラフトの目的は、出場機会が少ない中堅選手の移籍活性化にあります。

現役ドラフトは、MLBで行われている「ルール・ファイブ・ドラフト」を参考に導入が検討されてきた制度。このルール・ファイブ・ドラフトは有望な選手の飼い殺しを防ぐための制度となっていますよ。

現役ドラフトの対象となる選手は?

現役ドラフトの対象となる選手は、「年俸が5,000万円以下、かつ複数年契約を結んでおらず、FA権をまだ一度も取得していない選手」となります。

外国人枠の選手や育成選手は対象外となります。注目ポイントは、シーズン終了後に育成から支配下になった選手も対象外だということ。現役ドラフトのために支配下にすることはできないルールになっています。

現役ドラフトの仕組み

現役ドラフトには、NPB12球団全球団が参加します。各球団最低一人は別の球団の選手を獲得し、また最低一人は別の球団に移籍することとなります。

魅力的な選手を提示したチームが有利に

各球団、現役ドラフトの対象となった選手から最低二人を指名対象として提示します。この時、一人まで年俸が5,000万円以上1億円以下の選手を指名対象に含めることができます。

現役ドラフトの本指名の前に、各球団はそれぞれの指名対象から最も欲しい選手に投票を行い(予備指名)、最も多くの票を獲得した球団が1番目の使命権を獲得することになります。同票の場合はウエーバー順に従った順番になります。
つまり、他の球団が獲得したいと思う選手を指名対象に入れるほど指名順が早くなり、欲しい選手を獲得しやすくなるという形です。

ウエーバー順とは?

ウエーバー順は、毎年10月のドラフト会議で用いられている選手の指名順のことです。その年の下位球団から上位球団の順番に、その年日本一になったリーグのチーム、日本一を逃したリーグのチームの順番ですね。

2022年度で言えば、ウエーバー順で最初に来るのがパリーグ最下位の日本ハム、次にセリーグ最下位の中日、パリーグ5位のロッテとなり、一番最後がセリーグ優勝のヤクルトになります。

選ばれた球団が次の指名球団に

最初に指名権を得た球団が予備指名で指名した選手を指名し、現役ドラフト一巡目スタートです!

2番目に指名するのは、予備指名で二番目に票を得た球団・・・ではなく、最初の球団に指名された選手の球団になります。その後も選手を指名された球団が、次の指名球団となって現役ドラフトが進んでいきますよ。

ただし、一巡目では既に指名を受けた選手と同じ球団の選手を指名することはできなくなります。また、既に一巡目の指名を終えた球団の選手が別の球団から指名された場合、次の指名球団は、まだ一巡目の指名をしていない球団の中で予備指名で最も指名を集めた球団になります。

指名順が遅れるほど想定外の選手を獲得することに

一巡目では各球団必ず一人だけ指名、指名順が11番目になった球団と12番目になった球団は必然的に互いの球団同士で選手を交換することになりますね。一巡目で絶対に一人獲らなければならない都合上、残った球団に欲しい選手がいなくても、一人選ぶ必要があります。

二巡目以降は自由参加

各球団最低二人は指名選手を提示しているため、一巡目終了後は二巡目に移行します。しかし、二巡目からは自由参加、参加を望まない球団は棄権もできます。

二巡目の指名順は参加している球団の中で一巡目の逆になります。二巡目でも既に使命された選手の所属球団の選手は指名できず、また二巡目を棄権した球団の選手を指名することもできません。二巡目が終わったところで、現役ドラフトは終了となります。

現役ドラフトは非公開

現役ドラフトの内容は、ファンなど外部には公開されません。分かるのは現役ドラフトの結果移籍することになった選手の情報だけです。各球団は指名対象選手になったものの指名されなかった選手の情報などについて、秘密保持の義務を行います。

最後に

今回は、現役ドラフトについて紹介しました。

魅力的な選手を提示するほどドラフトで有利になるというシステムは戦略性があって面白いですよね!また、必ず一人は選手が入れ替わるため、ファンの方々は期待半分不安半分という形だと思いますが・・・。どんな結果になるのか、注目しましょう!