日本サッカー界で「不死鳥」と呼ばれる男、宮市亮選手。その名前を聞けば、多くのファンが思い浮かべるのは、圧倒的なスピードと、そして数々の怪我との壮絶な戦いではないでしょうか。
高校卒業と同時にプレミアリーグの名門アーセナルに加入した天才ウイングは、その後どのような道のりを歩んできたのでしょうか。
今回は、宮市亮の若い頃から何度も立ち上がってきた不屈の精神について詳しく見ていきます。
この記事の目次
宮市亮は若い頃からのイケメンぶりを発揮
宮市選手といえば、そのルックスの良さでも注目を集めてきました。
中京大中京高校時代から既に整った顔立ちで話題となり、当時からファンの間では「イケメンサッカー選手」として親しまれていたのです。宮市亮の若い頃は髪を長めにしていることが多く、風になびく髪とともにピッチを駆け抜ける姿は、まさに少女漫画から飛び出してきたかのようでした。
現在は短髪スタイルが定番となっていますが、サイドを短く刈り上げ、ジェルでしっかりと固めたスタイリングは大人の男性としての魅力を感じさせます。どんな髪型にしても似合ってしまうのは、やはり持って生まれた顔の作りが良いからでしょう。
華々しいキャリアのスタート
宮市選手のサッカー人生は、まさに順風満帆なスタートを切りました。
アーセナルとの運命的な出会い
高校時代から既に注目を集めていた宮市選手でしたが、その才能が世界に認められたのは高校卒業のタイミングでした。なんと、プレミアリーグの名門アーセナルから直接オファーが舞い込んだのです。
日本人選手が高校卒業と同時にビッグクラブと契約することは極めて珍しく、当時のサッカーファンは大きな期待を寄せていました。アーセナルといえば、アンリやベルカンプといったレジェンドが在籍していたクラブであり、そこでプレーできることは日本人選手にとって夢のような話だったのです。
日本代表デビューへの道のり
クラブでの活躍が認められ、2012年10月には念願の日本代表デビューを果たしました。代表戦でのスピードあふれるプレーは多くの人々を魅了し、「これからの日本代表を背負って立つ選手」として大きな期待が寄せられていました。
度重なる怪我との壮絶な戦い
しかし、華々しいキャリアの裏には、想像を絶する怪我との戦いがありました。
怪我の履歴を振り返る
宮市選手のこれまでの怪我歴を時系列で見てみると、その壮絶さがよく分かります。
2011年11月には左足首捻挫で約2か月の離脱、翌年4月には右肩負傷、そして11月には右足首靭帯損傷で約4か月もの長期離脱を強いられました。特に深刻だったのは2015年以降で、左膝前十字靭帯断裂により約1年間もピッチから離れることになったのです。
その後も2017年には右膝前十字靭帯断裂、2018年にも左膝前十字靭帯断裂と、選手生命に関わる重大な怪我が続きました。2020年には内転筋損傷、そして2022年7月の韓国代表戦では10年ぶりの代表復帰戦で再び右膝前十字靭帯断裂という無情な結果となりました。
最新の情報では、2024年5月に右ハムストリング肉離れで全治6～8週間の診断を受けており、現在も怪我との戦いが続いています。
なぜこれほど怪我が多いのか
これだけ頻繁に怪我を繰り返す理由として、いくつかの要因が考えられます。
まず、宮市選手のプレースタイルそのものが怪我のリスクを高めているという点があります。彼の最大の武器である圧倒的なスピードは、相手との接触時により大きな衝撃を生み出してしまうのです。特にプレミアリーグのような激しいボディコンタクトが日常的に行われるリーグでは、スピードに乗った状態でのタックルは非常に危険です。
また、膝前十字靭帯の特性も大きく影響しています。この部位は走る、ジャンプする、方向転換するといった動作で大きな負荷がかかる箇所であり、一度損傷すると再発のリスクが高くなってしまいます。サッカーというスポーツの特性上、これらの動作は避けて通れないため、どうしてもリスクが高まってしまうのです。
愛妻との深い絆
そんな困難な状況を支えてきたのが、高校時代から交際を続けてきた奥様の存在でした。
高校時代からの恋人
宮市選手と奥様の出会いは中京大中京高校時代にさかのぼります。奥様は当時サッカー部のマネージャーを務めており、そこで宮市選手との交際がスタートしました。高校時代から既に宮市選手は注目を集める存在でしたが、その彼の心を射止めたのですから、相当魅力的な方に違いありません。
当時、テレビの取材を受けた際には「サッカーをやっている時とか…かっこいいです」と照れながらコメントする姿が印象的でした。既にこの頃から、宮市選手の両親からも認められた関係だったようです。
海外挑戦を支えた結婚
2015年、ドイツ2部リーグのザンクトパウリ移籍前に、二人は結婚しました。海外でのキャリアを歩むことを決意した宮市選手にとって、長年連れ添った彼女の存在は何よりも心強い支えとなったでしょう。
サッカー選手の多くがモデルやアナウンサーなどの芸能人と結婚する中、高校時代からの恋人と結ばれるという背景に視聴者は皆好感を持ったのではないでしょうか。海外での生活は言葉や文化の違いなど多くの困難がありますが、奥様の支えがあったからこそ、宮市選手は厳しい環境でも諦めることなく戦い続けることができたのです。
不屈の精神力の源
これほど多くの怪我に見舞われながらも、なぜ宮市選手は諦めることなく戦い続けることができるのでしょうか。
周囲からの温かい声援
宮市選手が怪我を乗り越える原動力の一つが、周囲からの熱いエールでした。怪我をするたびに、ファンやサッカー界の同僚からSNSを通じて数多くの励ましの声が寄せられていたのです。
これらの声援に応えたいという気持ちが、辛いリハビリを続ける原動力となっていました。
チームへの想い
また、所属クラブへの強い愛情も大きな要因でした。FCザンクトパウリは宮市選手が長期離脱を繰り返していたにも関わらず、契約を延長し続けました。
このようなクラブの姿勢に感銘を受けた宮市選手は、「自分のためだけでなく、チームのために頑張りたい」という気持ちを強くしていきました。
現実的な目標設定
宮市選手自身が語っているのは、「良すぎる未来を想像しない」「やるしかないと前を向く」という哲学です。先のことを考えすぎず、今の自分がやるべきことに集中する考え方が、長期間のリハビリを乗り切る秘訣だったのでしょう。
まとめ
2021年からJ1リーグの横浜F・マリノスに所属している宮市選手は、現在も第一線で活躍を続けています。
長年の怪我との戦いを経て、以前とは異なる成熟した魅力を持つ選手として生まれ変わりました。スピードという武器は健在ながら、経験に裏打ちされた判断力は、多くの後輩選手にとって良いお手本となっています。
2024年5月の怪我も心配されましたが、これまで何度も立ち上がってきた彼なら、きっと再び元気な姿を見せてくれることでしょう。「不死鳥」と呼ばれる宮市選手の今後の活躍に、引き続き注目していきたいと思います。
